【プラモデル】傷めないパーツの切り出し方法

クリアパーツのランナーからの切り出し 模型製作技術
クリアパーツのランナーからの切り出し

プラモデルを作る上で、ランナーからパーツを切り出すとき、傷つけたり、えぐったりすると修復が厄介です。ミスしないようにするには、どうしたら良いでしょう?
さらに、どの方向からニッパーを入れると良いか、どの順番でゲートをカットすれば良いか、考えたことありますか?

1.基本事項の確認

1.1.各部名称の確認

まず、基本的な名称を確認しておきます。

ランナー各部名称の写真
プラモデル、ランナー各部名称

パーツ:作る時に使用する部品
ランナー:パーツ周りの枠の部分、もしくは枠全体
ゲート:パーツとランナーの間の細くなっている部分
ランナータグ:ランナーは複数枚あるので、ランナーを区別するための識別部分
ナンバータグ:パーツを識別するための番号

1.2.ニッパーについて

ニッパーについては、こちらの記事を参照してください。

2.基本は二度切り

2.1.二度切りの仕方

基本的にはランナーからパーツを切り出すときは、二度切りします。
一回では切り出さない方が良いです。理由は後述。

<やり方>
(1)パーツから少し離れたところを、ニッパーで切る
(2)残っているゲートを、ニッパーで慎重に切り取る

最後の写真では、わずかにゲートが残っていますが、後述するゲート処理で、より綺麗にできます。

※なお、このように箱の中などで作業した方が、切りくずが散らからなくて良いです。

箱のなかでゲート切り
箱の中で作業すると、散らかりにくい

2.2.一発切りしない方が良い理由

一発で切らない方が良い理由を説明しておきます。

2.2.1.パーツをうっかり傷つけてしまうリスクあり

ランナーには多数の部品がぎっしり並んでいます。
この状態ではニッパーを入れる方向が限定されるので作業しづらく、
うっかり、パーツを傷つけたり、えぐったりしてしまう可能性があります。

ランナーにニッパーを入れている写真
ニッパーを入れにくい

写真の場合だと、ニッパーを上下方向からしか入れられません。水平方向からニッパーを入れたいと思っても、周りのランナーが邪魔です。

無理して作業すると、パーツ表面にニッパーの刃が当たり傷が入ったり、最悪はこうなることも・・・。

パーツを切ってしまった
失敗例:パーツの端っこを切ってしまった!

うっかり、パーツごと切断してしまいました(泣)。

2.2.2.パーツにダメージを与える(力がかかる)リスクあり

ニッパーの先端は三角形なので、カッターと違い、切ると言うより押し広げる感じなので、矢印方向に力がかかります。

一発切りでパーツにダメージ
パーツに力が直接かかる

一発切りだと、周りに多数のランナーやパーツが固まっているので、左右どちらにも力が逃げず、直接パーツに力が来ます。

二度切りの場合、パーツを押さえているのでパーツは動きませんが、切り飛ばすゲートはパーツの反対側に逃げて行くので、パーツへのダメージリスクを減らすことができます。

二度切りで力が逃げやすくなる
力が逃げてくれる

2.2.3.白化

ニッパーで切断すると、切断箇所に力がかかり、白化と呼ばれる現象が発生することがあります。硬いものを切るので、ごく小さなひび割れが無数に発生するのではないかと思います。専門家ではないのでよくわかりませんが、勢いよく切断した方が白化しやすい感じがするので、ゆっくり切った方がよいかと思います。

あとで切り取るゲートは白化しても良いですが、一発切りでいきなりパーツの表面が白化するのはありがたくないです。しかし、塗装するのであれば白化してもあまり問題ありません。
また、白くなるということは、白いパーツだと目立たちません。

2.3.見えない箇所なら一発切りでOK

組み立てた時、ゲートが隠れて見えなくなる場合は、一発切りでもOKです。
多少傷が入っていても見えなくなるので、サッサと切りましょう(笑)。

説明書を見ても、その場所が隠れるかどうかよくわからない場合もありますので、その場合は二度切りしておいた方が安全でしょう。

2.4.くさび型ゲートに注意

ガンプラは初心者向けを考慮されて作られています。初心者でもパーツを切り出しやすくするため、ゲートの形が色々工夫されています。くさび型ゲート、タッチゲート、アンダーゲート。

普通のゲートは立方体ですが、くさび型ゲートはパーツ側に行くほど細くなっています。
初心者でも簡単にランナーから(ゲートから)パーツが切り離しやすいように、という工夫です。

最近のガンプラは、ほとんどこのくさび型ゲートになっています。
初心者には切り取りやすくて便利なのかもしれませんが、二度切りする人にとってはやっかいです。

パーツ側の方に傾斜が付いているので、ランナー寄りを切ろうと思っても、ニッパーの刃が滑ってパーツ側を切ってしまうことがあります。
注意しないと、一発切りと同じになってしまいます。

3.切り口を丁寧に仕上げるなら、ゲート処理

ニッパーだけで仕上げるよりもカッターナイフ(または、デザインナイフ)や、紙やすりを併用した方が、切り口(ゲート)が綺麗に仕上がります。

ニッパーで二度切りのときに、ちょっとだけゲートを残して切ります。
わずかに残ったゲートをカッターなどで少しずつ丁寧に削り取ります。
パーツまで削ってしまわないよう注意しながら作業します。

ニッパーよりカッターナイフ(デザインナイフ)の方が刃が薄くて鋭利なので、白化もせず、きれいに仕上げることできます。

下記写真の左がニッパーによるゲート処理、右がカッターによるゲート処理。

左:ニッパー、右:カッター

紙やすりについては、また別な機会に説明します。

4.どの方向から切断する?

一旦、パーツをゲートごと切り出したら、次にゲートを切る時に、好きな方向からニッパーを入れることができます。
では、どの方向からニッパーを入れたら良いでしょうか?

一般的に、ニッパーで切り出すとき、ニッパーの刃はゲートの長辺方向から刃を当てます。他のどのサイトでも同じように書かれています。

理屈で考えると、これで正しいです。
「〇良い例?」の方がより短い距離でカットできるので、パーツにストレスかかりにくく、白化の危険が減ります。

しかし、この「〇良い例?」の場合、別の危険が潜んでいます。
多くのパーツは、パーツの下にゲートがある、下記のような形をしています。

このとき、【図A】のようにニッパーが入れば良いですが、【図B】のようにニッパーが入ってしまう可能性があります。
なぜ【図B】のようなりやすいかと言うと、ニッパーの先端の形状は三角形だからです。

切れ味の鈍いニッパーだと、切る瞬間 「あれ?」 いつもと違う抵抗、違和感を感じやめることがあるのですが、切れ味抜群のニッパーだと違和感も感じずに、容赦なくスッパリ切れます

実際パーツを切ってしまい、何度か泣いたことがあります。

自信がないと感じた時は「×悪い例?」の方が良いんじゃないでしょうか。

5.切り出し時、要注意なパーツ

切り出すときに、特に注意が必要なパーツもあります。

5.1.小さなパーツは紛失注意

小さなパーツはニッパーで切った瞬間、どこかに飛んで行方不明になってしまうかもしれません。
あらかじめマスキングテープなどをくっつけておけば、飛んでいくことを防止できます。

しかし、小さくて扱いづらいので、最初はランナーから大きく切り出して、改めてパーツを切った方が良いです。
ランナーごと切り出した状態は、ランナーが取っ手代わりとなり、この状態の方が塗装もしやすいです。

小さな部品を小物入れに入れる
小物入れに入れておく

また切ったら、紛失防止のため、小さな入れ物に入れておくと良いです。

スケールモデルだと、このような小さな部品が容赦なく並んでいたりします。

小さな部品
エデュアルド 1/72 MiG-21の部品

5.2.クリアパーツは割れに注意

クリアパーツは材質が硬い場合が多く、ニッパーで切ったとき、まれに割れる(ひびが入る)ことがあります。

特に危険なのは、飛行機のキャノピー(風防)パーツなどでしょうか。

最初にニッパーを入れる時、パーツからより遠い位置で慎重にゆっくり切って、割れそうかどうか様子を見た方が無難です。

クリアパーツは硬くて傷つきやすいので、すぐに使わないならビニール袋などに入れて傷つきを防止します。

ガンプラのビームサーベルなどは、比較的柔らかい素材なので(実際触って見ればわかります)割れることはありません。

5.3.細いパーツは折れに注意

スケールモデルなどでは、とても細いパーツがよくあります。
慎重に切らないと、当然折れやすいです。

ゲートより太いパーツは、通常通り切っても大丈夫です。

細いパーツ
ハセガワ製 1/72 ファントムの部品

この16番パーツは細いですがゲートよりは太いです。一番細い部分はゲート部分なので、 力がかかったとき、パーツよりもゲートの方が先に割れやすいです。
片方のゲートを切ったとき、もう一方のゲートが割れてそこが白化する可能性はありますが、パーツを折ってしまう可能性は低いです。パーツを折ってしまうより、白化の方がマシでしょう。

危険なのは、ゲートよりも細いパーツ。

細いパーツ
ハセガワ製 1/72 ファントムの部品

この21番パーツはゲートよりも細いです。かなり危険な感じがします。不用意にゲートをニッパーで切ると、おそらくパーツが折れます。
鋭利な、刃の厚みのなるべく薄いニッパー、例えば、アルティメットニッパーなど、でゆっくり慎重にカットするか、
一旦、ランナーごと大きく切り出しておいて、その後、ゲート部分をカッターやのこぎりで慎重に切った方が良いです。

細い部品
ハセガワ製 1/72 タイガーシャークの部品

この11番のパーツ、過去に2回切り出したことがあるのですが、2回とも折れました。
パーツはゲートより太いのですが、モールド部分が弱いため、赤の点線部分で折れます。

折れやすい部品
ハセガワ製 1/72 タイガーシャークの部品

この部品はまだ1回も折れずに切り取ったことがありません(笑)。
最難関の部品です。

6.ゲートを切る時の順番

ゲートを切る時の最適な順番はあるでしょうか?
これまでの注意事項に注意すれば、あとはどの順番で切ってもあまり変わらないのですが、ニッパーで切ったときにどの方向に力がかかるかを考えると、理想的な順番が見えてきます。

6.1.例題1

下記のパーツ、①と②はゲートが細く、③はゲートが太くなっています。
ニッパーでどの順番でカットするとよいでしょうか?

部品写真
HGUC 191 RX-78-2 GUNDAM

正解は①→②→③または、②→①→③です。先に③をカットすると、パーツが上方向に動くので、①②のゲートにストレスがかかります。①②のゲートは細く弱いので割れる可能性があります。

①(または②)をカットしても、③が太くパーツが動きにくいです。むしろランナーの方が動く可能性があります。②(または①)はランナーに穴が空いているので、その穴から割れる可能性があります。
細かく言えば②よりも①を先にカットした方が良いかもしれません。 ②の方にはナンバーフラグがあるため、①のランナーより、②の方のランナーが動きにくいからです。

ポイント:細いランナーから先にカットする(太いランナーは最後に)
ポイント:ナンバーフラグが無い方を先にカットした方が良いかも?

6.2.例題2

下記のパーツはどの順番でカットするとよいでしょうか。②が最も太いゲートで、①と③は同じ太さです。

部品写真
HCUC RX-78-2 GUNDAM

②は一番太いので一番最後です。では①と③はどちらを先にカットした方が良いでしょうか。正解は①→③→②です。
①の上の方にはパーツが無いので ①をカットするとランナーが動きます。③の下側にはランナーやパーツが密集していますので③をカットすると、パーツが上の方に動き①にストレスがかかることが予想されます。

実際には、この濃いグレーのランナーは弾力があり柔らかいので、どこから切っても問題ないと思います。

6.3.例題3

下記のパーツはどの順番でカットすればよいでしょうか。①が最も太いゲートです。

部品写真

①は一番最後です。②と③がどちらか?正解は、②→③→①です。

③を切ると、パーツが上の方に動きます。下にランナーや部品があるので下には動きません。すると①はゲートが太いので問題ありませんが、②はゲートが細いのでちぎれる可能性があります。

一方②を先に切ると、左にパーツが動こうとしますが、①のゲートが太いので左に動く力を抑制してくれます。そのため細い③のゲートにストレスがかかりません。

ポイント:真ん中のゲートは先に切らない方が良い。端から攻める。

6.4.例題4

写真の39番のパーツは、どう切ったら良いでしょうか。細いので折れやすそうです。

部品写真
1/144 ミレニアム・ファルコン

①→②か?②→①か?どちらも不正解です。

正解は、先に③④のランナーを切ってから、①②の順で切るです。
なんじゃそりゃー!ずるいー!と思いましたか。

先に①②どちらを切っても危険です。③④を切ってしまえば、次に①を切る時に力が下に逃げるのでパーツが折れません。先に②を切らない方が良い理由は、②を切ろうとしているときに、①に負荷がかかり先に①のゲートが折れるリスクがあるからです。

ポイント:ゲートの向きと垂直方向のランナーをあらかじめ切っておく

7.まとめ

プラモデルのパーツをきれいに切り取る方法を説明しました。
小さなパーツ、クリアパーツ、細いパーツは、切り出し時、十分注意しましょう。
パーツを傷つけたり、えぐってしまったりすると、できないことはありませんが、修復は厄介です。
修復などは、パテなどを使うので、そのような記事を書く機会説明したいと思います。

では、楽しきプラモデルライフを!

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