エアブラシ塗装に必要なものは?コンプレッサー、ハンドピース・・・、口金のサイズは合うのか?他にも必要なものは?これから買おうと思っている人はチェックしてください。
1.エアブラシ塗装とは(仕組み)
エアブラシは、霧吹きのように塗料をミスト状にして対象物に吹き付ける仕組みである。
特徴
・筆塗りよりも均一にムラなく塗装しやすいが、細かい部分の塗り分けは難しい。
・筆塗りよりも速く塗装が完了する。
・ハッキリ、クッキリでなく、境界のぼやっとした塗装が得意である。
2.最低必要なもの(コンプレッサー、ハンドピース・・)
・コンプレッサー、ハンドピース、ホース、ハンドピース台
コンプレッサー:圧縮空気を作る装置
小型(安価)から大型(高価)まで各種色々販売されている。
大型の方が高圧が作れるので便利だが高価で騒音も大きい。
価格、騒音を我慢できる範囲でなるべく高圧が出せるものが望ましい。
※減圧はできるが増圧はできない。
下記は、標準的なCGIクレオス社の製品。
上記はGSIクレオス社のコンプレッサーだが、
CUTE→プチコン→L5→L7→L10 の順に高圧、高価になる。
世間一般では、プチコンかL5を所有している人が多い。
ウォルはCUTEとL7を所有しているが、CUTEは非力すぎるのでおすすめできない。
騒音を気にしてCUTEを買ったのだが、満足できなくて結局L7を買ったのだ。
しかし、L7はうるさいので、深夜のエアブラシはできない。
大体の選択イメージ
・ラッカー系塗料でのつや消し塗装ならどれでも可能。(圧が低めでも良い)
・ラッカー系でも光沢塗装したり、サーフェイサーなど吹くなら、L5以上の高圧が望ましい。
・水性系塗料を吹くな、らなるべくL5以上(やや高め)が欲しい。
・アクリジョン(クレオスのエマルジョン系水性塗料)で塗装するなら、L7かL10の高圧が必須。
音を気にする人へのおススメ
ウォルがL7以外に使用しているもので静か。エアテックス社のminimo。
これを使っている人で、うるさいと言う評価は1件もない。圧はプチコンと同等だと思う。
でもこれはもう売ってないので、ウェーブのコンプレッサー058を買うと良い。
コンプレッサーデータ
品名 | 動作音 | 動作圧 | 備考 |
プチコンCUTE | 50dB以下 | 0.035MPa | ※動作圧はウォル環境下の実測値 |
minimo,058 | 35dB | 0.045MPa | ※動作圧はウォル環境下の実測値(静か) |
プチコン | 45dB | 0.05MPa | ※メーカ発表の数値 |
L5 | 50dB | 0.1MPa | ※メーカ発表の数値 |
L7 | 55dB | 0.105MPa | ※動作圧はウォル環境下の実測値(うるさい) |
L10 | 55dB | 0.1MPa | ※メーカ発表の数値 |
※minimo(35dB)とプチコンCUTE(50dB以下)は同じくらい静かである。
※動作圧は0.1MPaあると快適、0.05MPa以下だとパワー不足を感じる。
ウォルは、休日の昼間はL7(うるさいが快適)、夜間はminimo(パワー不足だが静か)で、使分けている。
ハンドピース:手に持って塗料を噴射させる道具
大きくシングルアクションとダブルアクションタイプに分かれる。
・シングルアクションはボタンを押せば塗料が噴き出す。
・ダブルアクションはボタンを押すと空気だけ出る、さらにレバーを引くと塗料が噴き出す。
シングルアクションの例↓
ダブルアクションの例↓
世間一般的には、ダブルアクションを持っている人が多いが、初心者は清掃の簡単なシングルアクションの方がいいかもしれない。
ウォルのおすすめは、タミヤHGかウェーブのスーパーエアブラシアドバンス。
この記事を参考にしてください。
ホース:圧縮空気を送るためのホース
コンプレッサーとハンドピースを接続するホースも必要。
コンプレッサーを買うとホースも1本おまけでついてくる場合が多い。
スタンド:ハンドピースを置く台
塗料が入っている間、ハンドピースをずっと手に持っているわけにもいかない。
ハンドピースを置く台(スタンド)も必要である。
一式セットになったもの
バラで買うと、足りないものがあってスグ使えずガッカリするかもしれない。
初心者は一式セットになったものを買うと、面倒がなく、おススメ。
ウォルが買った一式セット↓
コンプレッサー、ハンドピース、ホース、スタンド、エアレギュレーター、ダスト&ドレンキャッチャー、全部入り。気に入らないパーツがあれば、後で買い足して入れ替えればいい、というスタンスで。
L7はコンプレッサーが大きい方の部類に入るので、初心者はワンランク下のL5セットでいいかも。
さらに、ランク下のプチコンのセットもあったが、今は生産中止になっている。(2021.6)
口金のサイズについて?
買ったけど口金のサイズが合わなくて接続できないんじゃないか?
基本的にはあまり気にしないで買っても大丈夫。
多くの模型用コンプレッサーやハンドピースの口金のサイズは1/8。
ところが、GSIクレオスはなぜかPSサイズを使っていることが多い。
でも、製品に、PSから1/8に変換するアダプタが添付されている場合がほとんどです。
心配なら、Mr.ジョイント(3点セット)を買っておくと安心できる。
3.周りのもの(持ち手、塗装ベース、クリーナボトル)
マスキングテープ、塗料、うすめ液、塗料皿、攪拌棒、スポイト、持ち手、ハケ、ブロアー、塗装ベース、クリーナーボトル、ティッシュなど
マスキングテープ
塗り分けをするときに必要。
100円ショップの物でも十分である。
塗料・うすめ液
当たり前だが、塗装したい塗料とそれを希釈する、うすめ液(シンナー)。
原液のままでは濃いので、うすめ液で薄める必要がある。
ラッカー系、エナメル系、水性系でそれぞれ、うすめ液の種類が異なるので、必ず塗料と同じ性質のうすめ液を使う必要がある。
同じ性質同士であれば、メーカーが異なっても使える場合が多い(自己責任)。
異なるメーカーの組み合わせでも絶対大丈夫とは言えない。
ウォルはきれいに吹けなかった経験があるので、原則同じメーカー同士のものを使うようにしている。
塗料皿
塗料を出したり、混ぜたりするための皿
金属製の皿が安価だが、水につけたまま放置すると錆びるので注意。
白い樹脂製の皿は色が正確に視認しやすいが、少し値段が高い。
調色スティック(攪拌棒)
塗料びんや塗料皿の塗料をかき混ぜるために使う。
塗料びんは、成分が分離していることがあるので、必ずかき混ぜてから使う。
先端がスプーン形状のものが、塗料を取り出すときにも使えて便利。
スポイト
うすめ液をボトルから取り出すときに使う。
小さいスポイト 長いスポイト
長さが短いと、うすめ液が少なくなってきたとき、底まで届かず使いづらい。
スポイトの記事↓
持ち手(ネコの手)
塗装の時、持つ部分が必要である。
持ち手 様子
竹串や割りばし、板などに部材を両面テープで貼り付けても良い。
ハケ、ブロアー
静電気で塗装する部材に埃が付きやすいので、ハケやブロアーなどがあると良い。
除電ブラシ ブロアー
ハケは静電気除去能力があるものが良い。
ブロアーはカメラのレンズの埃を飛ばすものなど。
また、ハンドピースがダブルアクションであれば、空気だけ噴射できるので、ブロアー代わりに使うこともできる。
塗装ベース
塗装した後、乾くまで何時間もずっと手に持ち続けるわけにもいかない。持ち手を立てて置く台。
大きな塗装ベース 使用例
ダンボールをスライスした形で、ネコのつめとぎと同じである。
発泡スチロールに持ち手を刺してもよい。
クリーナーボトル
残った塗料や、清掃した後のうすめ液などを捨てるボトル。
クリーナーボトル 使い方
密閉性は無いので、使用後ベランダなど外に放り出しておくと良い。
ティッシュ、新聞紙など
塗料を拭いたり、周りを汚さないための新聞紙なども必要。
通常のティッシュは、繊維がほぐれたりして、埃の原因にもなるので、キムワイプなど繊維がほつれにくい素材のペーパーが理想である。キッチンペーパーなどでも良いと思う。
4.接続ジョイント、レギュレータ、塗装ブース
接続ジョイント、ドレン&ダストキャッチャー、エアーレギュレーター、塗装ブース、乾燥ブース、
接続ジョイント
ホースが短いときに延長できるスグレモノ。
接続ジョイント 使用例
ドレン&ダストキャッチャー
圧縮空気を作ると、水滴が発生しやすく、また埃なども巻き込みやすいので、ホース側から来る水滴や埃をブロックしてくれるもの。ハンドピースとホースの間に接続して使う。
無くても構わないが、梅雨など湿気の多い日などは水滴が発生し、カブリという現象(塗装が白っぽくなる)が発生しやすくなるので、あった方が安心できる。
エアーレギュレーター
圧縮空気を減圧できる。圧を高めることはできない。
また、水滴除去の機能や圧力計が付いているものもある。
調整つまみを緩めることによって、空気を逃がし、空気の噴射量を減らすことができる。
弱くふわっと吹きたいときに使うが、ハンドピースのレバーの引き具合でも調整できるので、無くても困らない。あれば便利と言う程度。
エア調整機能が付いているハンドピースもある。
この場合ハンドピース側のつまみで同様の調整ができる。
従って、どちらかというと、水滴除去機能と圧力計目的で買うことになる。
水滴除去機能は、ダスト&ドレンキャッチャーにも付いているが、二重にあるとカブリ対策がより安心できる。
圧力計は現在の空気圧が数字で確認できる。
あると便利だし、なにやら見た目がプロっぽくてカッコいい(笑)。
塗装ブース
エアブラシ塗装は、塗料のミストが発生するので、それを吸い込んでしまうと健康に良くない。
室内で塗装する場合は、ミストを外に吐き出す工夫が必要になる。
↑実は仮組しただけで使用していない。音はコンプレッサーに比べると静か。
塗装ブースを購入・設置しない場合は、ベランダなど外で塗装する必要がある。
ドライブース(乾燥ブース)
塗装後、乾くまでに埃が付着する可能性がある。
埃が付かないように箱の中に入れておく必要がある。
普通の箱でも良いが、電気で乾燥させる機能があると便利。
写真は、山善の食器乾燥機だが、自然対流方式で食器乾燥機より模型用ドライブースとして優秀なので、多くのモデラーが使っている。
「大きな塗装ベース」がピッタリ2個入るジャストサイズ。
5.紹介したもの
5.1.一式セットで買う場合(5.2~5.4まで一通り含む)
L5プラチナセット
作動音:50dB、定格圧力:0.1MPa、吐出空気量:5.27リットル/min.0.05MPa
L7プラチナセット
作動音:55dB、定格圧力:0.1MPa、吐出空気量:7.0リットル/min.0.05MPa
L10プラチナセット
作動音:55dB、定格圧力:0.1MPa、吐出空気量 :10ℓ/min.0.08MPa
5.2.コンプレッサー(バラで買う場合)
050
静かなのでおススメ。これより圧の低いものは使えないと思う。
作動音:35dB、連続使用圧力:0.05Mpa、空気吐出量:約8L/分
プチコン
作動音:45dB、定格圧力:0.05MPa、吐出空気量:3ℓ/min.0.05MPa
L5
作動音:50dB、定格圧力:0.1MPa、吐出空気量:5.27ℓ/min.0.05MPa
L7
作動音:55dB、定格圧力:0.1MPa、吐出空気量:7.0ℓ/min.0.05MPa
※L7を買うんだったら、L10を買ってしまった方がいいかも。
L10
作動音:55dB、定格圧力:0.1MPa、吐出空気量 :10ℓ/min.0.08MPa
5.3.ハンドピース(バラで買う場合)
↓この記事を参考にして選んでください。色々あります。
5.4.エアブラシシステム周りのもの(バラで買う場合)
Mr.スタンド&トレイセットⅡ
これは必須だと思う。
ドレン&ダストキャッチャー
↓数百円高いがこちらの方が、アルミ製で軽量。
エアーレギュレーター
5.5.ジョイント類
中間ジョイント(1/8ホース同士を連結)
PS~1/8変換(たぶん買わなくても良いと思う)
5.5.ドライブース、塗装ブースなど
ブース類は、でかくて邪魔なので最初から買わなくてよい。
エアブラシ導入後、必要性を検討してから買おう。
ドライブース
[山善] 食器乾燥器 (5人分) 120分 タイマー付き ライトグレー (自然対流式) (抗菌/防カビ) YD-180(LH) [メーカー保証1年] |
塗装ブース
5.6.その他細かいもの
クリーナーボトル
これは必須であった方が良い。
クレオスのもいいが、これが安くていいと思う。
エアーブラシ クリーナー クリーナーボトル 洗浄ボトル スタンド付 エアーブラシ用 クリーナーポット エアブラシ アクセサリー プラモデル ガンプラ ネイル |
塗料皿、持ち手、塗装ベース
6.塗装方法
次のステップ、エアブラシの塗装方法は、この記事を参考にしてください。
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