ヤスリ3 金属ヤスリ~初心者向け~

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プラモデル初心者
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ヤスリの記事その3です。模型用金属ヤスリの使い方とおススメを紹介。初心者は最初紙ヤスリを使うと思いますが、慣れてくると、作業効率・スピードを求めるようになるため、金属ヤスリを使うようになります。そこでこの記事です。

1.この記事について

この記事はヤスリ説明シリーズの3つ目である。ヤスリ初心者はヤスリ1と2の記事を先に読んでおくことをおススメする。

ヤスリ1 ヤスリの考え方(最初に読め)~プラモ初心者~
ヤスリを使うときの基本的な考え方を説明しています。

ヤスリ2 紙ヤスリの使い方(次に読む)~プラモ初心者~
プラモデルで一番汎用的に使われると思われる紙ヤスリの使い方、注意点を説明しています。

2.金属ヤスリの種類

紙ヤスリは紙なので変形しやすい。平らにしっかり削るには変形しない金属ヤスリがいい。

2.1.目の粗さの種類

紙ヤスリは数字で目の粗さを表すが、ヤスリは数字ではない。
粗い← 粗目→中目→細目(さいめ)→油目(あぶらめ)→ 細かい

紙ヤスリと粗さを比較するとどの程度なのか?と思うが、構造が違うので比較できない。
紙ヤスリは紙に砂やガラス粒を貼り付けたもので、金属ヤスリは溝が掘ってある。
その溝のピッチによって種類が分かれている。

なので、紙ヤスリとは比べようがないのだが、ウォルのいい加減感覚だと、
中目→400番位、細目→600番位、油目→800番くらいな感じがする。
感じがするというだけだぞ?

やはり目が粗い方がガンガン削りやすく、目が細かい方が滑らかな仕上がりになる。
ウォルは何種類か持っているが、一番よく使っているのが中目
金属ヤスリは最初の段階でガンガン削る目的で使うことが多いので、若干粗い方がいい。

1種類だけ買うなら中目もしくは細目か。2種類買うなら中目と油目がいいかな?

2.2.形状による種類

金属ヤスリは断面の形が色々ある。

金属ヤスリの断面形状

断面の形状は、平、三角、四角、丸、甲丸(半丸)、他にも、刀刃、シノギ、はまぐりなど、これはどういうときに使うと効果的なのか?と思う色々不思議な形状のものも多数ある。

平はよく使うので基本的にあった方がよい
四角や三角は奥まったカドの部分などを削りたいときに便利。
しかし、四角はいらないと思う。三角で代用でき、四角より三角の方が使い勝手がいい。

三角ヤスリを使う場面

丸は穴の中を広げたいときに便利。

丸ヤスリを使う場面


甲丸(半丸)は微妙なカーブを削る時に便利。
ピンポイントでそこだけ削りたいときも使える。

各種形状バラでも売っているし、幾つかの形状がセットになったものも売っている。
セットは自分の欲しい形状が入ってなくて、逆に不要な形状が入っていたりする場合もあるので、
そのときはバラで買った方が良いかもしれない。

金属ヤスリセット

2.3.目の種類

目の形状は、複目、単目、鬼目、波目、三段目など色々ある。

プラモデル用の金属ヤスリのほとんどは複目である。単目はあまり見かけない。波目はタミヤが売っています。
・単目は、削り跡が複目より綺麗に仕上がる。しかし、削りカスで目が比較的詰まりやすい。
・複目は、単目よりガシガシ削れる。目は詰まりにくい。目が交差しているが、片方が切削用、もう一方は、削りカスを排出する働きもしている。

切削面がより綺麗な単目が欲しいところだがあまり売ってない。まあ複目でも大して困らないので複目でいいだろう。

鬼目はおろし金みたいなやつで、ウォルは使ったことない。だから正確には説明できないが、おそらく、ガンガン削れてその代わり、削り跡が汚いらしい。一方、トゲトゲの隙間が大きいので削りカスが詰まりにくいらしい。

↑GSIクレオスが販売する金属ヤスリ、匠之鑢・極 雲耀は単目である。
粗目(MF14)と細目(MF13)の2種類が売っている。

↑GSIクレオスが販売する金属ヤスリ、匠之鑢・極 玄人 MF12。こちらは複目である。粗さは油目で仕上げ用。

↑タミヤが販売する金属ヤスリ、クラフトヤスリPRO。波目である。切削力が高く、削り面も綺麗。
これ、良く削れるし、削った面は綺麗だし素晴らしいのだが、・・・欠点が・・・さびやすい。ウォル所有の クラフトヤスリPROは一部さびてしまった。油塗るなどメンテも考えおいた方が良さそうだ。

3.金属ヤスリの使い方と注意

金属ヤスリは押して使う

紙ヤスリはランダムな凹凸なので、前後左右どの方向でも削れる。
金属ヤスリはノコギリと同様で、押したときに削れる。引いたときは削れない。

パーツとヤスリ

前後に往復させてもダメではないが、引くときにはあまり力を入れないようにする。
引くときに力が入ると刃を傷める原因になると、どこかのサイトに書いてあった。

押して削るのだが、必ずしも真っすぐじゃなくても、右斜め上に押しても良い。

どうして右斜め上に動かすのが良いのかわかりますか?
左斜め上に動かすのはダメです。どうして?
「上から見た図」だとわからないかもしれん。「これを裏から見た図」、パーツ側から見た(下から上を見た)図だとどう?

右の2つの図は、ヤスリの目(刃)が進行方向に対して垂直に当たっているのがわかりますか?
大工さんが木にかけるカンナの刃も、進行方向に対して刃が垂直ですよね?

刃を垂直に動かすと削れるが、刃を縦に動かしても単に傷がつくだけ!

左利きの人は右上は動かしづらいかもしれません。
ヤスリの目(刃)が逆斜めに付いている、左手向きの金属ヤスリも、存在はするようです。

パーツエッジの削り落としに注意

ゲート処理などを金属ヤスリで行うと、金属ヤスリの前方が下がってしまいがちになる。

ヤスリ掛けを横から見た図

写真はゲートを削るつもりで、ヤスリが傾いたのでエッジを削った例。

エッジが削れた例

このとき、削りたいのはゲートであってエッジではないのだ。
ちょっとくらいならいいが、派手に削ってしまうと厄介である。
ヤスっている時に余計な箇所を削っていないか、頻繁に確認することが重要だ。

幅の広い面積は苦手

金属ヤスリは広い面積を一様に削るのは苦手である。
ヤスリのエッジの部分が特に危険である。
手で持って使うので、使うときに完全な水平ではなく傾くので、エッジでプラの表面を傷つけてしまいやすい。

特に同じ場所ばかり繰り返し動かしていると、気が付くと深い傷が入ってしまうことがある。
回避するには、同じ位置ばかりやらないで、少しずつ位置をずらすことだ。

一番安心なのは、金属ヤスリを使わないで、前回紹介した、タイラーやヤスリスティックなど、紙やすり系を使うのが良い。
金属ヤスリだと、動かす方向は前(右斜め)だが、紙ヤスリは前後左右どの方向に動かしてもよい。

ヤスリじゃないが、こんなのもある。ぷら用カンナ。
カッターを横に動かしているのと一緒だが、取っ手があるので使いやすい。

幅4cm以内なら、一気に削れる。

4.金属ヤスリが活躍する場所

4.1.パーツのエッジを削る(ゲート処理など)

パーツをニッパーで切り出した後、ゲート(若干残っているでっぱり)を削り落とす、ゲート処理。
パーツのエッジにある、ゲート処理は金属ヤスリが使いやすい。

幅が広いところは苦手だが、幅が狭いところなら得意だ。

4.2.瞬間接着剤で合わせ目消しをした場合

瞬間接着剤はプラよりも硬い。
従って紙ヤスリやスポンジヤスリでヤスると、プラばかり削れて、瞬間接着剤の部分がなかなか削れない。
このようなときに、瞬間接着剤の部分をピンポイントで削り落としたい場合に役に立つ。

5.おススメの金属ヤスリ

5.1.初心者向け

初心者にはミネシマ製の金属ヤスリをおススメする。あるいはお金を節約したい人向け。

※ミネシマは、柄の色がオレンジが中目、黒(写真無し)が細目、青が油目である。

ウォルはプラモの工具メーカーではミネシマは結構好きである。
品質が超一流と言うわけではないが、コストパフォーマンスに優れている。
ミネシマ製の工具は安いが、しかし、品質は決して低くはないのだ。十分な性能を持っている。

工具はどのメーカーを買おう?これだ!と思うものが無いようであれば、とりあえずミネシマ製を買っておけば、あまり困らない。

5.2.ベテラン向け

いや、多少高くても俺は高品質なものが欲しい人。

プロモデラー・鋭之介初代日野氏によると、文盛堂のヤスリが良いそうである。なら買ってみたいものだ。しかしだね、探しても売ってないのだよ。

じゃあどうする?と思った。バローべとか言うのが良いらしい。

バローべヤスリ

ウォルのお勧め一流メーカーは、バローべ、タミヤ、クレオスである。
タミヤ、クレオスは模型メーカーだから模型用工具のツボを押さえているので、まず悪いはずがない。
すでに写真で紹介したように、タミヤクラフトPRO、クレオスの 匠之鑢などが良いです。
タミヤのベーシックヤスリは、ミネシマと変わらない感じ。

一方、バローべはスイスのメーカーである。バローべのサイトを見ると、自分で世界最高水準のヤスリと豪語している。スイスですよ!スイスと聞いただけで、超精密な感じがするじゃないですか?
実際、刃の精度が高いので余計な傷ができにくく、また材質がクロム鋼で錆びにくいらしい。

バローべヤスリ 刃拡大

このバローべヤスリはプロモデラー・長徳佳崇さんの推奨です。

安いミネシマ製に比べると、数倍値段が高いが、優越感に浸りたい人はぜひ買ってください。

なお、バローべは、柄の部分が区別しにくいので、ウォルはマスキングテープ貼って区別した。

バローべヤスリ 柄

黄色はタイラーの400番、緑は600番、青は800番のイメージに合わせてある。

金属jヤスリとタイラー


タイラーって何だって?だから最初に前の記事を読めって言ってるのに。

5.紹介したもの

amazonのリンクです。

5.1.ミネシマ製

ミネシマ製は1本150円くらい?な感じ。
↓中目。平、四角、三角、丸、甲丸。

※まず、この中目セット(5xx円くらい)を一つ買っておいて、他は必要を感じたら買い足す(ステップアップ)のが良いんでないかな?

↓油目。平、丸、甲丸。

※中目で削って、油目で仕上げる。

※ミネシマの細目(中目と油目の間)があるが、買わなくていいと思うのでリンク貼らない。

5.2.バローべ製

バローべは1本千円を超えるが、優越感に浸りたい人、腕が上がったつもりになりたい人(笑)は買え!
ウォルは優越感に浸りたかったので、4本も持っている。

↓平、#0(中目相当)

↓平、#2(細目相当)

↓平、#4(油目相当)

ウォルはバローべ三角も持っているが、今のところ出番が無いので、紹介しない。
無駄な買い物をする必要はないと思うからだ。
平以外は登場場面は少ない。
ウォルは、平はバローべの登場だが、三角、丸、甲丸は、ミネシマ中目でカバーできている。
また、タミヤPRO、クレオスは入手性が悪いのか、最近あまり売ってないので、リンク貼らない。

5.3.ぷら用カンナ

番外編、ぷら用カンナ。

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