隠ぺい力の低い塗料の塗装方法

模型製作技術

プラモデルを塗装したとき下地が透けることがある。これは塗料が透けるからだ。
どんな塗料が透けやすいのか、また、透けやすい塗料はどう塗装したらよいか?

1.隠ぺい力の低い塗料は?

下地が白の上に塗装した場合、多くの塗料はきれいに発色する。
下地が黒などであれば、その上に塗料を塗っても黒っぽくなってしまいきれいに発色しない。
下地の影響を受けるからだ。
では、透けやすい塗料はどんなものか?

用語(隠ぺい力

※透けやすい=隠ぺい力が低い、透けにくい=隠ぺい力が高い

1.クリア系の塗料→最も隠ぺい力は低い
2.通常の塗料(ソリッドカラー)→原色は隠ぺい力低い、濁った色は隠ぺい力高い
3.メタリック→透けやすいともいえるし、透けにくいともいえる。

用語(ソリッドカラー
メタリックでもパールでもない、普通の色はソリッドカラーと言う。単色という意味である。クリアはソリッドと言ってよいのか?ちょっとわからない。

一番透けるのはクリア塗料だ。クリアって透明だから当たり前である。
通常の塗料は、色によって隠ぺい力が異なる。一般的に濁った色は隠ぺい力が高く、鮮やかな色は隠ぺい力が低い。
メタリック(金属色)は、クリアのような透明な溶剤にアルミなどのメタリックの粒子が入れてある。
したがって、アルミ粒子の部分は隠ぺい力が高いがアルミがない部分は隠ぺい力が低い。

メタリックの説明図

↑金属粒子がない部分は下地が透けて見えるし、金属粒子の部分は金属に見える。

ソリッドカラーの隠ぺい力

鮮やかな色は隠ぺい力が低く、濁った色は隠蔽力が高い

ソリッドカラーで、彩度が高い色(鮮やかな色)は隠ぺい力が低く、彩度が低い色(濁った色)は隠ぺい力が高い。

例えば、下地が黒の場合、グレーは1回塗ればすぐにグレーになるが、ホワイトを塗装する場合は、10回くらい塗り重ねないとホワイトにならない。

最も隠ぺい力が高い色は暗めのグレー

最も隠ぺい力が高い色は、赤青黄白など色々混ぜた色である。
色々たくさん混ぜた塗料は隠ぺい力が高い。
色々まぜるとグレーになる。白を入れないと黒に近い色。
色々混ぜて作った塗料は隠ぺい力が高い
したがって、通常のサーフェイサーの色はグレーなのだと思われる。
なお、グレーと言っても、白に近いグレーは隠ぺい力は低め。
また、純粋な黒はグレーに比べるとやや隠ぺい力は低いように思える。
プラモデル用の純粋な黒は薄く塗装すると下地が透けやすい。

最も隠ぺい力が低い色は黄色

原色の中で最も隠ぺい力が低い色はどれか?白か?
いや違う、黄色である。

参考

隠ぺい力が低い色の順に並べると、黄→赤→白→青?、緑?である。
なので、黄色をきれいに発色させることが一番難しい。
赤も黄色に負けず劣らず難しい。

隠ぺい力の高い塗料と低い塗料の見分け方

同様な色でも、隠ぺい力を高めた塗料が販売されている。
「高い隠ぺい力」と販売文句でうたってある塗料は、
これは、隠ぺい力高いんだな、とわかるけど、書いてなくてもわかる場合がある。

隠ぺい力が高い塗料は、白を混ぜてある場合が多い。

クレオス塗料


時間が経つと成分が分離し、下に白が沈んでいる塗料は隠ぺい力が高い
白は割と重い顔料のようで下に沈んでいることが多い。まれに白が上に浮かんでいる塗料もあるが。
色々混ぜると隠ぺい力が高くなるが、白以外を混ぜると、違う色になってしまうので白を混ぜてあると思われる。

隠ぺい力が高い塗料の方が良いのか?

隠ぺい力が高い塗料の方が少ない回数で発色するので便利である。
だから、みんな隠ぺい力が高い塗料を欲しがる。必ずしもそれでいいのか?

ガイアノーツ アルティメットホワイト

(写真)ガイアノーツ アルティメットホワイトは、通常の白よりも隠ぺい力が高い。

隠ぺい力が高いということは、隠ぺい力を高めるための何か余分な材料(上記の場合白塗料)を入れてあるということになる。
ということは、鮮やかさがわずかに落ちると思われる。
また、隠ぺい力を高めてある塗料は、わずかにつや消し気味になる傾向がある。
ほとんどわからない程度ではあるが。

よりきれいで鮮やかな色は、隠ぺい力の低い塗料だと思う。

隠ぺい力を高めてある塗料は余分な材料を入れてある分、重い塗料である。
エアブラシで塗装するとノズルが詰まりやすい
高圧(0.1MPa以上)のコンプレッサーだと重くても強引に吹けるので気にならないが、
低圧(0.1MPa未満)のコンプレッサーだと、吹いているうちに、詰まって吹けなくなるのでこの欠点は無視できなくなる。
低圧のコンプレッサーしか持ってない人は、かなり薄めないと吹けない。
薄めるということは透けやすくなるということだ。

なんでもかんでも、隠ぺい力を高めた塗料が良いとは言えない。

2.隠ぺい力の低い塗料は重ね塗りする

隠ぺい力が低い塗料を塗装するにはどうすればよいか。
もちろん、隠ぺい力が高いと言われている塗料を使うと楽である。
塗装方法としては、重ね塗りである。
下地が透けやすいので、何度も繰り返し塗装するのだ。

初心者は1回で塗装しようとするが、それでは上手く行かない
塗ったら乾かす、塗ったら乾かす、を何度も繰り返すのだ。

白を塗装する場合

例えば下地が黒のプラスチックで、これを白に塗装したい場合はどうしたらよいか。
10回以上白を塗り重ねないと白くならない。
1回だと暗いグレー、数回塗り重ねると明るいグレーになる。
しかし純白にするには10回以上(塗料によって異なる)塗り重ねなければならない。
もちろん、031アルティメットホワイト(ガイアノーツ)やGX1クールホワイト(クレオス)のような隠ぺい力を長所としている塗料では、より少ない回数で白くなる。

また、黒の上からすぐ白を塗装し続けるのではなくて、黒→グレー→白のように間に中間色を入れた方が早い
グレーは白より隠ぺい力が高いので、黒をグレーで覆い隠してから白にするほうが良いということだ。

黄色を塗装する場合

黄色は最も隠ぺい力が低い色である。黄色を制す者は全ての色を制すと言ってもいいのではないか?

黄色を塗装するには、下地が白か白に近い色でなければならない。
グレーの上に黄色を塗っても黄緑色になってしまう

イエローで塗装したスプーン

ややオレンジに近い、赤よりの黄色を塗装すれば、多少改善される。
黄色を塗装するには、まず、下地をできるだけ白に近い色に塗装しておく。そのうえで、自分が希望する色よりやや橙色に振った黄色を使う。するとちょうどよい具合になる。

C4イエローで塗りたいと思っても、下地がピュアな白でなければ(グレーっぽい)、C4イエローで塗ってはならない。黄緑色になってしまう。C329かC58くらいでちょうどいい。

なので、ウォルはC4はほぼ使ったことがない。よく使うのがC329かC58だ。

赤色を塗装する場合

赤も黄色に負けず劣らず隠ぺい力が低い色である。
下地は、白かピンクかクリーム色にしておくのが理想である。
最初の下地が黒やグレーであれば、一旦、茶色(中間色)を塗装してから、赤でもよいかもしれない。

下地の色を統一しておく

同じ隠ぺい力の低い塗料を塗る場合、下地の色は統一しておく必要がある。

赤と青のプラスチックをどちらも白で塗装したい場合である。

図1,図2

図1は、赤青の上に直接白を塗ったが、白が透けるので、白ではなく、ピンク、水色に見えてしまう。
図2は、隠ぺい力の高いグレーで赤青を覆い隠してしまったので、全面白に見える。
(透けて下地のグレーが見えるので、純白ではなく、わずかに暗めの白に見えるが。)

グレーのサーフェイサーは、傷を埋めるという目的の他、色味を統一するという目的もある。

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