今回はちょっと、練習&実験的な製作。つや消し状態からのデカール貼り、キャノピーを木工用ボンドで付けるなど。
1.使用キット
使用キットはハセガワ製 F-4 EJ Kai PHANTOM II。
以前製作した赤帯のキットより、箱が大きくて細かいパーツが多い。
デカールは細かくてとても多い。
モールドはハセガワ製らしく、細くて浅くて繊細である。
すぐにモールド埋まってしまいそうなので、あまりありがたくない。
ウォルは、海外製キットによくある、太くて深いモールドの方が好み。
2.製作のポイント
2.1.キットの特徴
・小さいパーツが多数あるので、紛失注意。
・やっぱりエアモデル、ピッタリ合わないパーツが多少あるので、擦り合わせよく確認すること。
・パーツ数は多いが、使わないパーツもあるし、塗装するガンプラに比べたら早くできる。
2.2.製作のコンセプト
今回は、実験&練習的に作ってみることにした。
・箱絵通りに作る。
練習的要素
・塗装で、影ラインを引き、影色を残しながらエアブラシ塗装する。
実験的要素
・下地がつや消しでもデカールをシルバリングせず貼り付けることはできないか?
※デカールを貼る時、基本的には下地は光沢にするのが良い。
・透明パーツをつける時、透明接着剤ではなく、木工用ボンドを使ってみる。
・脚は瞬間接着剤を使わず、通常の接着剤を使ってみる。強度はどうか?
3.製作
3.1.コックピットの製作
計器盤には、ピンの跡があるので平らに削った。デカール貼る時に凹凸が邪魔になりそうだったからである。
一通り組み立てて、グレーで塗装。その後デカールを貼った。
デカールを切り出したあと、前後左右がわからなくなる可能性があるので、あらかじめよく確認しておいた方がいい。注意
ウォルは貼る時わからなくなって、検索しても、パネルが実機と異なっていてよくわからなかった。
ハセガワ、ファントム、1/72などで検索し、同じキットを製作した人の写真を探し出し、貼り付けた。
コックピットを中に封印して両サイドから胴体で挟み込んで接着。
射出座席はこの段階で接着すると、突起になって邪魔なので、まだ接着しない。ポイント
射出座席の接着はキャノピーを接着する直前でいい。
3.2.基本的な組立
3.2.1.全体の組立
胴体左右と主翼上下をそれぞれ接着する。接着した後、マスキングテープで固定しておいた。
胴体の合わせ目を、紙やすり(400番、場合によっては240番)でヤスって消す。
ヤスるとモールドも消えるので、消える前に気になるところを、ガイドテープを貼って、カッターでスジボリを彫っておいた。
スジボリが完全に消えた後で掘り起こすのは、位置がズレたりして苦手なので、ウォルはなるべくスジボリが消える前に、さらに深めに彫る。
カッターでフリーハンドでスジボリした。フリーハンドでずれないかと言うとずれることもある。
ガイドテープを使うとずれにくいが、刃がプラスチックに当たる部分が目視しづらい。
フリーハンドだと、ずれることもあるが、刃が当たる部分を直接目視しやすい。
幅のあるタガネなどでフリーハンドするよりは、カッターのような薄い刃でフリーハンドの方がずれにくい。
カッターのようなV字の刃物でスジボリすると、めくれ上がり、下手すると凸モールドになってしまうので、上からペーパーでヤスって、めくれた頭を削る。
3.2.2.隙間や段差の処理
隙間が気になるところは溶きパテを流し込み、はみ出た箇所を綿棒でふき取る。
用語解説
溶きパテ:シンナーで飲むヨーグルトくらいの粘度に薄めたパテ。
段差が気になるところはパテで埋めて削る。
胴体と機首部分を接着したら若干段差があるので、パテで埋めて削った。
エアインテイク部分
エアインテイク部分は、エアモデルの肝だと思う。
塗装してから接着するか、接着してから塗装するか、あるいはアトハメ加工か?いつも悩むし、 また、大抵、パーツ同士がピッタリ合わず段差ができるからだ。
↑エアインテイクってココです。空気取り入れ口の部分。
仮組したら、右側面のエアインテイクパーツが下にずれるので、内側の当たっている部分を削って、上にずらして接着。(塗装より、先に接着したぞ)
もしかして下にずれているのが正しい可能性もあると思ったが、モールドがずれていいるので、やはり下にずれているだけなので削ってを実施。
後ろから見ると、胴体パーツとエアインテイクパーツの曲率が違う。
エアインテイク側を削って合わせた。
3.3.基本的な塗装
エアインテイク内や脚格納部などはすでに白で塗装してあるので、塗料が入らないようにティッシュを詰めておく。
モールドに沿ってブラックで影色を引いた。
線がぐにょぐにょして下手である。
機体下面色C308を全体に吹き重ねる。黒ラインを潰さないようにするために、塗料は薄めにし、パネルごとに少しずつ吹き重ねていく。
ブルタックを長く伸ばしてマスキングする。機体上面の指定色はC307だが、C73エアクラフトグレーで塗装した。C308とC307は色があまり違わないので、インパクトに欠けると思ったからだ。
C307,C308は青っぽいグレーだが、C73は緑色っぽいグレーである。色合いの雰囲気が違う。C73は選択ミスだったかもしれない。
機種(つや消しブラック)や尾翼(部分的に焼鉄色)も塗装した。
C73エアクラフトグレーを薄く少しずつ吹き付けたので、迷彩の境目があまりわからない。写真だと全くわからない。
3.4.デカールの貼り付け
キャノピーや脚を取り付けてないが、この辺で一通りデカールを貼っておくことにした。
下地がつや消しでデカール貼れないか試してみたい。マークセッターをきちんとつければ行けるのではないか?
このデカールなかなか台紙から剥がれてこない。普通は水に30秒くらいだと思うが、3~5分くらい漬けておかないと剥がれてこない。
おかげで利点?として、番号付きで水に浸しておいても、番号が浮いてデカールとくっついたりなど、面倒なことにならない。
しかしこれ、枚数が多くて大変である。
幾つかのデカールは、デカールの上に別のデカールを重ねて貼るようになる。
デカールの裏側と模型の間にマークセッターを入れたいのだが、なかなか難しい。
あらかじめデカールに針で穴を開けておくとか、デカールの裏に直接マークセッターを塗ってみるとかしてみたんだけど、シルバリングする。
塗装面が光沢であれば、マークソフターで密着するが、塗装面がピカピカの光沢ではないので、マークセッター(糊成分)を使ったのだが、デカールを水から引き上げたとき、水分が多くて糊成分が薄まり接着されないのだろうか。
マークセッターを中に流し込もうと、針で突っついていたら、日の丸が破れてしまった。
破れたところを塗装でリカバーする。
ラッカー塗料はデカールを傷めるので水性塗料を使う。
アクリジョン、レッドもモンザレッドも2瓶とも中身が固まっていて使い物にならん!
タミヤアクリルのレッド(X-7)とレモンイエロー(X-8)を1:1で混合して、筆塗りした。
下の写真の箇所は、先にデカールを貼ってから、水平尾翼、増槽タンクをつけた方がいい。
3.5.細部の組立と仕上げ
3.5.1.足回りの組立
脚や増槽タンクを取り付けた。
脚を取り付ける時、いつもは瞬間接着剤を使っているが、今回実験的に、流し込み接着剤の速乾じゃない方を使ってみた。速乾じゃない方を使った理由は、強度が欲しかったからである。速乾はプラをあまり溶かさないですぐ乾いてしまうので強度は弱い。ただし、乾くのが遅いのである程度、くっつくまで保持しておかなければ倒れてくるのでそこが欠点だ。
しかし、くっついたらしっかり強度が出るようだ。
3.5.2.エンジンノズル
エンジンノズルは、シルバー、焼鉄色をベースに、クリアブラウン、クリアホワイトなどを吹きつけて、本体に取り付けた。一体成型なので、奥が塗装しにくい。
エンジンノズルの塗装は得意ではない。色々塗装してみたが深みが無い。
クリアブラウンは味がでるが、クリアホワイトは乳白色のようになって金属感が無くなるので使用しない方がいいと思った。
3.5.3.射出座席
ここでやっとコックピットに射出座席を取り付ける。
ところがである。キャノピーをかぶせたら、後方座席のフェイスカーテンハンドルが取れてしまい、ピンセットでつまんだら、どこかに飛んで行ってしまった。
したかないので、0.55mmの真鍮線で自作した。
3.5.4.キャノピーの塗装と取り付け
キャノピーは、一旦裏からイエローで塗装し、次に表から機体色で塗装し、さらに裏からつや消しブラックで塗装した。筆塗りなのでぐにょぐにょである。
キャノピーは、少し水で薄めた木工用ボンドで付けた。剥がそうと思えば剥がすことができるが、普通に触っても外れない強度がある。
4.完成
ブンドドしている図!
5.使用したもの
5.1.主な使用塗料
●パテ:フィニッシャーズラッカーパテ(F)
●サーフェイサー:Mr.サーフェイサー1000(C)
■機体下面色:C308グレーFS36375(C)
■機体上面色:C73エアクラフトグレー(C)
※緑っぽくてあまり良くなかった。
□脚、格納庫など:C316ホワイトFS17875(C)
■機体黒:C33つや消しブラック(C)
■エンジンノズル:C8シルバー(C)、C61焼鉄色(C)、GX109クリアブラウン(C)
(C)クレオス、(F)フィニッシャーズ
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