漫画エリア88に登場するA-10A(グレッグ機)製作しました。
エンジンノズル、パイロット、射出座席、後輪、デカールは自作です。
1.使用キット
使用キットは、ACE Corporation A-10 Thunderbolt 1/144
韓国製、輸入は童友社。
内容物
外箱はA-10としか書いてないが、ランナーにはA-10A。
エリア88のグレッグ機はA-10Aなのでマッチしている。まあ、A-10AもCも外見上は違わないのでどちらでもよい。コックピットが違うだけだったと思う。
モールドは凹モールド。パイロットなし。デカールもあるけど使わない予定。
ミサイル、爆弾、増槽タンクあり。
説明は書いてないけど、クラスター爆弾:CBU-87(左上)×2、無誘導爆弾:Mk.84(右上)×5、対地ミサイル:AGM-65 マーベリック(下)×6かな?
2.コンセプト
目指す完成形
・エリア88に登場する、グレック・ゲイツ機で作成する。
・飛行状態で作る。(キットは駐機状態)
製作の自慢ポイント
・エンジンノズル自作
・パイロット、射出座席自作
・後輪自作
・デカール自作
3.製作
3.1.エンジン部分
エンジンファンの部分が別パーツなのは、高得点だが、後ろのノズル部分がいけない。
これ↓ガクッ。ハァ━(-д-;)━ァ…
元のパーツは穴を空けて短くカット。
これ使った。wave Uバーニアフラット(1)
組み合わせる。
よし、オッケー。
3.2.コックピット部分
機種に10gの重りを入れろと書いてある。
10gってこのくらいの量だぞ?
なぜ重りを入れるかと言うと、駐機状態で飾るとき、機首が軽すぎると尻餅をつくからだ。
↑こうなってしまうのを防ぐ。が、今回は飛行状態で作るので無視する。
さて。キットの射出座席は残念な形状なので、プラ板で自作する。
↑ちなみにカッティングマットの1枠が1cm。小さいぞ。
どうだ!
キットにはパイロットも付属して無いので作る。これを改造する。wave 1/144 MOBILE STAFF。
手足を切ったり貼ったりして、着座姿勢にする。
ちなみに、バンダイの1/144 MSフィギュア01 もあるが、グレッグはおデブなので、モビルスタッフの方が似合う。
こうだ。
パイロットはヘルメットに細く切ったプラ板を貼り付ける。
完成したパイロットと射出座席。
シートベルトは褐色のマスキングテープを貼っている。ヘルメットは超極細のマジックで模様を描く。
3.3.形状の修正
このキットは形状に色々問題がある。
コックピット部分
参考資料を見ると、射出座席はかなり高い位置にある。視界良好である。
引用:書籍 A-10サンダーボルトⅡ(イカロス出版)
で、射出座席をなるべく高い位置に移動したいのだが、この小さいスケールだとプラの厚みが効いてくる。
胴体と射出座席の位置を調整中。
プラの厚みが1mmくらいある。射出座席を高い位置に配置すると、パイロットの頭の位置も高くなるので、キャノピーが閉まらないのだ。
プラの厚み分、どうしても低い位置にしなければならない。
このスケールだと、1mmというのは、実物だと14.4cmと言うことだ。鉄板やガラスの厚さが14cmもあるんだぞ?あきらめる。
ダッシュボードの形状がおかしい
このキット、ダッシュボードの形状がおかしい。
0.3mmプラ板を斜めに貼って修正。
主翼端が垂れすぎ
このキット、主翼端が垂れすぎ。
削って修正した。
水平尾翼の角度がおかしい
このキット、水平尾翼の角度がおかしい。
切り離したら、どちらが上で下かわからなくなったが、どちらにせよ、上反角か下反角が付いていることになる。実機はどう見ても水平。
切込みを入れて、水平になるように調整しました。
尾部の形状もおかしいけど
尾部の形状はこんなに尖ってない。もっと丸っこい。
まあ、ここは大したことではないと思う。実機と違っていても、これはこれでカッコいいと思う。
また、修正は面倒という理由もあるのでこのままでヨシとする。
前輪脚
このキットは駐機状態なので前輪を取り付けるが、飛行状態で作るので改造しなければならない。
前輪の格納庫部分に穴が開くので、プラ板で埋める。
この複雑な形状をピッタリ切り出すのは至難の業。しかも小さいし。ピッタリ合わないが上出来。隙間はパテで埋めておけばよい。
後輪脚
このキットは駐機状態なので後輪を取り付けるが、飛行状態で作るので改造しなければならない。
パテで埋める。今回は、瞬間接着剤にベビーパウダーを混ぜたものを使ってみた。
単なる瞬間接着剤より、削りやすくて良い。
形状を整えて、車輪の穴を空けておく。
キットの車輪は穴が小さくて入らなかったので、これを使った。
コトブキヤ 丸モールドⅣ
作ったタイヤはこんな具合。
磁石を仕込む
胴体を貼り合わせる時に、磁石でくっつけて飾れるよう、磁石を仕込んだ。
瞬間接着剤でくっつける。中で外れると困るので強力な方が良い。
ゼリー状は避け、耐衝撃、高強度などと書かれた瞬着を使うとよい。
エンジンユニットがピッタリ合わない
胴体とエンジンユニット間で段差ができる。しかも曲率があってない。
プラ板を貼る。前と後ろで必要な高さが違うので、ごくゆるい楔型に削った。
翼の付け根の隙間埋め
これは飛行機モデルの鬼門の一つとも言えるが、胴体と翼の付け根に隙間ができることが多い。
パテなどで埋めるしかないのだが、くぼんでいる場所はペーパーで削りにくい。
出っ張っている部分ならどうということは無い。
隙間に溶きパテを流し込む。
※溶きパテ:溶剤で液体状に薄めたパテ
半乾きの状態で(←ポイント)、溶剤をつけた綿棒で、はみ出た部分を拭き取る。
各箇所の段差を埋める
貼り合わせ胴体の左右、あちらこちらでピッタリ合わず段差ができる。
パテで埋めて、ペーパーで削って整える。緑がフィニッシャーズ製のパテである。
削り傷と色を整えるため、サーフェイサーを吹いた。
3.4.塗装
グレッグ・ゲイツ、パーソナルマーク自作
グレッグのマークはドクロの頭である。当然キットのデカールには付属して無いので自作する。
A-ONE社のデカールシール。インクジェットプリンタで作ると透明タイプである。
インクジェットプリンタで白は印刷できないので、下地を白く塗っておいて、その上から作ったデカールを貼った。
一旦アクリジョンのクリアを吹いてデカール面を保護しておく。
なぜアクリジョンかと言うと、ラッカー系クリアは溶剤が強いのでデカールを傷める。
水性クリアを吹いてもいいが、水性の上に、ラッカー、エナメルは使えない。
アクリジョンは水性なのでデカールを傷めないが、アクリジョンの上からラッカーは塗装できるのだ。
マークの周りを慎重に手作業で塗装した。
模様も全てラッカー塗料で筆塗り。
印刷の解像度が悪い感じがしたので、上から、インディブルー、モンザレッド、イエローで描き足した。
ボディ全体の塗装
ハセガワのキットだと、下面:C308、上面:C307、C305が指定されている。
実際1/72でこの色で塗装したが、全体的に暗く青に寄りすぎて違和感を感じたので、違う配色にした。
真ん中は、モデルカステン、MC-05 IAF(イスラエル航空宇宙軍)カラーセットの4番である。
そんなの持っておらん!と怒るかもしれんが、C35明灰白色とほぼ同じである。
下面は一番明るい、C338で塗装しておく。
上面はまず暗いC305で塗装しておき、粘土を小さく丸めて、多数貼り付けマスキングする。
次に上からIAF4番(C35)を吹く。粘土を剥がせば模様の出来上がり。
粘土は、ブルタックかひっつき虫が安価で使いやすい。
3.5.細かい部分
アンテナと空気取り入れ口
コックピット後方のUHF/TCANアンテナを0.3mmのプラ板、エンジンの間にある、上流冷却用空気取り入れ口および排出口を1mm角のプラ棒で再現した。
ズレ解消
段差がある。面倒だけど修正することにした。
くぼんでいる部分なのでやりにくいが、パテ盛ってヤスって、塗装し直し。
良くなりました。
給油口の塗装
空中給油口を塗装しました。
給油口の場所を示す?エのようなマーク。
白マジックペンで描いたけど、精密に描くのは無理だな。
とやってたら、デカールあるし!
塗装剥がして、デカール貼りました。
コックピットの計器類
コックピットの計器パネル。白いプラ板で自作。
エナメルのブラックで塗装し、溶剤を付けた爪楊枝で突いて色を剥がす。
射出座席を接着。透明プラ板切ってHUDをダッシュボードに瞬着。
グレッグ大尉に搭乗してもらいました。
キャノピー
裏からマジックで黒を塗装。はみ出た箇所は、爪楊枝にマジックリンを浸けて剥がす。
表からグレーを筆で塗装。
キャノピーつける。隙間は木工用を薄めて隙間に流し込む。
垂直尾翼の塗装とマーキング
垂直尾翼はA88のデカールを貼ったものの、剥がして、フィンバンドを塗装した。
ミッキーのトムキャットが黄色だったりするし、派手な方が良いかと思ったので、黄色にした。
※フィンバンド:部隊ごとに色分けされる
ガトリングガンはそのまま
先端のガトリングガンはそのまま。
実機はここに7個穴が開いているが、この小ささでは再現は無理。
ディテール追加
デカール類貼った上から、アクリジョン光沢クリアを吹いて保護し、スミ入れウェザリングなど。
極細ペンで、リベット打ちました。
履帯色で塗装剥げを入れました。
最後に、つや消しクリア(水性)を吹く。
爆弾・ミサイル
爆弾類はつけなかった。
なぜかと言うと、このキットTER、MERが添付されてないから。
※TER(トリプルイジェクターラック)、MER(マルチプルイジェクターラック)
通常爆弾はデカいのでMk.84だと思うが、できれば、MER使ってMk.82を大量にぶら下げたい。
後日つけるかもしれない。
4.完成
ベースは、バンダイ・スターウォーズ、ビークルモデルの台座を流用。
5.使用したもの
5.1.使用キット
↓記事で使用したキット
上記はもう入手困難だと思うので、1/144であればプラッツ(Ftoys)製を買うと良い。
5.2.使用塗料
●サフ:Mr.サーフェイサー1000
■機体色:下面C338グレー(C)、 上面 IAFカラーセット#4(M)、C305グレー(C)
※IAFカラーセット#4は、C35明灰白色と近似。
■エンジンノズル:C8シルバー(C) ※C61焼鉄色でもいいと思う
■タイヤ:XF-69 NATOブラック(T)
※タイヤ色は、タイヤブラックよりも、XF-69 NATOブラックか、XF-85 ラバーブラックがおすすめ!
■塗装剥げ:XF-84ダークアイアン(履帯色)(T) ※黒っぽ色ならなんでも。
■グレッグ:衣装 C38オリーブドラブ(2)、ヘルメット C158スーパーイタリアンレッド(C)
〇デカール保護:N30クリア(A) ※アクリジョンは水性だが、ラッカーの下地に使える。
▼スミ入れ、リベット:コピックモデラー0.02ブラック
※(C)クレオス Mr.カラー、(A)クレオス アクリジョン、(G)ガイアカラー、(M)モデルカステン、(T)タミヤ アクリルミニ
5.3.その他
wave Uバーニアフラット1。リング状の物があり便利。
wave モビルスタッフ1/144。ややおデブな人を作る時便利。
ひっつき虫
ブルタック
参考資料
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1/72製作記事。キットはタミヤイタレリ。
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