エアブラシの効果的なメンテナンス(清掃)方法

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プラモデル初心者
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エアブラシ(ハンドピース)は使用したら清掃しなければならないが、分解清掃は壊したり部品紛失のリスクがあるので必要最小限にした方がいい。
ウォルは以前、ハンドピースがよく詰まったので頻繁に分解清掃をしていたが、筆を併用した清掃に変えたら格段に分解清掃回数が減った。
ここで、使用溶剤も少なく効率の良い清掃の仕方を紹介する。
また、分解清掃しなければならないときもあるので、分解清掃の仕方も紹介する。

1.基本的な清掃方法

通常清掃はうがいにより行う。

うがいの方法

溶剤を逆流させて、数秒間内部を清掃する。ハンドピースの先端の形状によりやり方がやや異なる。

ハンドピースの先端(ニードルキャップ)はフラット(通常)タイプとクラウン(王冠)タイプがある。

写真左がフラット、右がクラウン

カップに清掃溶剤を入れておく。
フラットタイプは、先端を指で押さえながら吹くとうがい状態になる。
クラウンタイプは、ノズルキャップのネジを緩めて吹くとうがいになる。

クラウンタイプのどこのネジを緩めるかは下の写真参照。

このとき、上から溶剤が飛び散るようであれば、キャップをつけて行う。

このうがいを2~4回くらい繰り返すときれいになる。

筆との併用 ←効果が高い

重要ポイント

カップの底やハンドピース先端に付着した塗料が取れにくいことがあるため、筆も併用すると効果が高い。
ちなみにウォルは、筆を併用しての清掃をするようになって、格段に分解清掃をする回数が減った。
分解清掃は傷めるリスクもあるし、面倒だし、分解せずに済むに越したことはない。

清掃用筆は、 HIQPARTS 熊野筆 KMブラシ洗浄用、がおすすめ。

清掃用として作られており、毛足が長めで太さもあるのでカップの奥まで届く。ツールクリーナーなどの強力な溶剤につけても毛が傷みにくい。

通常は2~4回位うがいするとよい

ハンドピースの清掃は、うがいを数回繰り返し、溶剤に塗料の色が付かなくなるまで行う。その時の条件で異なるが、ざっと言うと通常の塗料だと大体2~4回くらいうがいを繰り返し行うと良い。

ちなみにシルバーなどのメタリック塗料の場合金属粒子が残留し、なかなかきれいにならない。サーフェイサーなどの重い塗料を吹くと金属粒子も出て行きやすいと聞いているがあまり効果を感じたことはない。
面倒なので、ウォルはハンドピースは通常用とメタリック用の2本に分けている。

メタリック用は粒子が大きいので、0.4mm口径のハンドピースを割り当てている。
また、サーフェイサー、アクリジョン、隠蔽力を高めた塗料(例:ガイアノーツのアルティメットホワイトなど)も詰まりやすいので、これらも0.4mmのハンドピースで吹いている。
アクリジョンは0.5mmでも詰まりやすいので、よほど困っていない限り、アクリジョンをエアブラシでは吹くことはない。

2.清掃溶剤について

溶剤は、塗料を薄める「うすめ液」と清掃用の「クリーナー」が販売されている。

ラッカー系の場合、清掃もうすめ液が基本

例:ガイアノーツの薄め液(左)とツールウォッシュ(右)

清掃用だからと言って、「クリーナー」ばかりガンガン使わない方がいいと思う。
塗料が固まっていない場合はうすめ液で塗料が落ちるが、塗料が固着してうすめ液で取れない場合は「クリーナー」を使う。「クリーナー」の使用は最小限にした方がいい

理由

ハンドピースは、金属だけでなく一部の部品にはゴムパッキンなども使われている。
「クリーナー」は強力なので、ゴムパッキンを傷める可能性が考えられる。
使用した直後は塗料はまだ液体なので「うすめ液」で清掃すればいい。
時間が経って固まってきたかな?どうも吹き出しが悪いな?うすめ液程度ではダメかな?の感じがしたら「クリーナー」を使うような感じでいいと思う。

(例)クレオスのうすめ液(左)とツールクリーナー(右)

※クレオスのツールクリーナ改、以前持っていたが使い切ったので写真はない。すまぬ。

(例)クアトロポルテのTipoマルチシンナー(左)とTipoウォッシュシンナー(右)

クアトロポルテシリーズは値段が高く希少品である。マルチシンナーでガンガン清掃すると非常に勿体ないので、それはヤメロ!

メーカーの違いで、洗浄力が劇的に違うということはない。多少性能の違いがあるかもしれないがウォルには感じられなかったので、どれでも性能は大差ない。
臭い、値段の安さ、他、自分の好みで買えばいい。
一番コストパフォーマンスがいいのは、ガイアノーツの1000mlサイズである。

↑これが安くて清掃用にガンガン使える。
値段が高くて勿体ないのは、クアトロポルテとかフィニッシャーズである。

水性系の場合はマジックリン

水性系も「うすめ液」と「ツールクリーナー」がある。

おすすめ

しかし、水性の場合は、固まっていなければ水で洗えるし、固まったらマジックリンで洗える。

ちなみにバスマジックリンは使えない。マジックリンを台所から模型部屋に持ってこよう!

3.効率良く、うがい回数が少ないやり方

実際の方法としては下記のようにすると比較的効率よく、より少ない回数で綺麗になる感じだ。

1&2 使用直後の状態から、カップに溶剤を1/4位入れる。
溶剤はクリーナーでなく、うすめ液をつかう。ポイント
※すでに説明したが、クリーナーは強力なのでなるべく使わず、うすめ液で清掃しても調子悪いようならクリーナを使うイメージで。

3&4.うがい操作をする。筆をカップ内の溶剤につけて、筆でハンドピース先端や、カップ中を筆で清掃する。うがい操作は10秒くらい。1分も2分もしなくていいと思う。
うがいだけでなく筆も使うことがとても効果的。ポイント

5.カップ内の溶剤を先端から吹かずに塗料皿に捨てる。重要
6.また、カップ内に少し溶剤が残っているがこれでいい。

カップの中の溶剤を先端から吹いて捨てずに、外に出す理由が2つある。

理由1

カップ内を清掃した溶剤には、ゴミや埃が混じっているかもしれないのだ。
ハンドピース先端からうがいした溶剤を吹くと、溶剤は先端から流れ出て行くが、ゴミや埃が先端に残り、これがいずれ詰まる原因になる。詰まると分解が必要になる。

理由2

次の手順で、カップを清掃した溶剤を使って、塗料皿や攪拌棒も清掃するためだ。

7&8.カップから塗料皿に出した溶剤で、塗料皿や攪拌棒も筆で洗う。1分くらい。
皿と攪拌棒は綺麗になったが、筆は汚れている状態。

9&10. ちょっとだけ残っていた溶剤を、吹いて捨てる。
塗料皿や攪拌棒の清掃に1分くらいかかっているので、カップ内のちょっと残った溶剤も1分くらい放置した状態になっているので、より塗料が溶け出やすくなっていると思う。

11&12.再び溶剤を1/4位入れ、うがいする。10~20秒くらい。このとき筆はもう使っていない。筆は汚れているからだ。

13.2回目のうがいでほぼもう綺麗になっている。わずかに色がついている程度。手順12で筆も使った場合は筆から溶剤が出てくるのでもっと濃い色の溶剤になる。
次に、ここで先端から吹いて捨ててもいい。手順5で吹かずにカップに出しているのでゴミや埃もすでに出ていてもう残っていないと推測されるからだ。
14.ここでは、手順5と同じくもう一度カップから塗料皿に捨ててみた。

15.こうすると、汚れたままの筆を14で出した溶剤で洗うことができる。
16.再び、少し残っている溶剤を吹いて捨てる。

使用した塗料がクリアやソリッドカラーで、残っている塗料の量が少ないならこれで十分OK。
残っている塗料が多かったり、メタリックとか、つや消し塗料とか、塗料が頑固な場合、さらにもう1回くらい溶剤を入れてうがいする(3回目)ときれいになる。
心配なら、最後にちょっとだけ、クリーナー液でうがい(仕上げとして)しておくと良い。

他の部分の清掃

カップ、フタ、ボディなどを拭く。うすめ液で落ちないときはクリーナーを使う。

特にカップ内は、ティッシュペーパーではなく、キムワイプとかキッチンペーパーのような毛羽立たないものがいい。ティッシュペーパーだと紙粉がカップに残り、次に吹くとき、それが埃のようにプラモデルに付着する可能性がある。

ポイント

従って、次回エアブラシを吹くときは、いきなり塗料を入れないで、まずカップを清掃(うすめ液入れ、うがい、捨てる、残りを吹くを実施)する。カップが綺麗になってから、塗料を入れるようにする。
使用前の時点でカップ内にすでに埃があるかもしれないからだ。

キムワイプは、ヨドバシカメラのプラモデルコーナーに行けば、150円くらいで売っている。

※追記

とてもよい動画を見つけました。

ウォルはキムワイプで拭いていますが、この動画では、最後にカラうがいをして溶剤分を吹き飛ばし、ビニール袋に入れて保管と言っています。確かに袋に入れて保管すれば埃付かないですよね。

4.分解清掃

分解すると、うっかり壊したり部品を無くしたりする危険があるため、なるべくなら分解しないほうがいい。しかし、内部に汚れや埃が蓄積していると思われ、吹きづらいときは、仕方ないので分解清掃する。

ウォルは分解洗浄するのは半年に1回くらいである。
頻繁に分解洗浄しないと吹けないと言う人は、上記うがい洗浄がきちんとできていないか、ハンドピースがすでに傷んでいる可能性がある。

ハンドピースの分解

分解するとこんな感じである。

注意

・塗料が入った状態で、ニードルを抜かないこと。
・部品の紛失注意。ノズルやバネなど小さい部品を無くしやすい。
・ニードルを曲げないように注意。
・ニードルなどで怪我をしないよう注意。
・組み立て方法がわからなくならないよう注意。解する前に、部品の取り付ける順番、向きなどをあらかじめよく確認してから外すこと。

ノズル部、ニードルの清掃

ノズル先端は洗浄溶剤にしばらくドブ漬けしておき(ウォルはフタをして瓶を振ったりもする)、ニードルは洗浄溶剤をつけてティッシュペーパーなどで拭く。

ノズル先端の穴は、清掃溶剤をつけて、歯間ブラシのようなものを入れて、清掃する。この歯間ブラシのような清掃道具は、タミヤなどから販売されている。

光にかざしてみて、ニードルが通る穴が通って見えれば清掃OKである。
穴が見えなければ、まだ詰まっている。

ハンドピースの組み立て

清掃できたら、再びハンドピースを組み立てる。

ピストンの前後の取り付け向きに注意。

印のある方が後ろである。写真では印として切り欠きがあるが、点があるものもある。

ニードルチャックはつばが出ている方を上にして、入れる。

グリスの塗布

必要に応じてネジ部にグリスを塗布する。

日本製のハンドピースであれば、ネジの精度が高いので、塗布しなくてもほぼ問題は発生しない
心配なら塗布しておけば安心できるだろう。

ノズルシール(赤)は先端に空気が漏れないように、それ以外の箇所はグリス(白)を塗布する。

ノズルは手で締めて、添付の工具でほんのちょっとだけ締めると良い。360°のうち1°だけ回転させるくらいの気持ちで。力を入れて回すとネジを傷める。

エアバルブの清掃

ピストンの動きが悪くエアバルブを清掃したい場合もある。
ピストンから指を離してもピストンがゆっくりしか戻ってこない現象が発生することがある。

あらかじめニードルを外しておく。

下から覗くと、穴が2つ開いているので、ピンセットを突っ込んで、ぐるぐる回すと、中のネジが外れてくる。

こうなる。

清掃する。清掃してもピストンの動きが悪いこともあるので、そのときはグリスを塗布する。

5.紹介したもの

タミヤ クリーニングセット

↓洗浄専用筆(とても重要)

↓キムワイプ

キムワイプ 12×21.5cm /1箱(200枚入) S-200

※上記はamazonリンクだが、消耗品関係は、量販店で買った方が安い場合がある。

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