エアブラシのメンテナンス方法

模型製作技術

エアブラシを使用していると塗料が中に残りやがて詰まってしまう。したがってハンドピースのメンテナンス(清掃、洗浄、グリス塗布など)が必要となる。

清掃は通常清掃分解清掃がある。分解清掃の方が確実に清掃できるが、部品を紛失したり、ニードルを曲げてしまったりなどの危険があるため、普段は通常清掃を行い、必要に応じて分解清掃を行うとよい。

通常清掃をきちんと行っていても、内部に塗料が蓄積され、塗料の出が悪くなったり、全く出なかったりすることがある。また、頻繁に(例えば毎日とか)エアブラシを使用していれば固まってしまうことはあまりないが、長期間(例えば1カ月以上)使っていないと中で塗料が固着していることがある。こうなったら分解清掃が必要だ。

通常清掃

通常清掃はうがいにより行う。

うがいの方法

溶剤を逆流させて、数秒間内部を清掃する。ハンドピースの先端の形状により、やり方がやや異なる。

ハンドピースの先端(ニードルキャップ)はフラット(通常)タイプとクラウン(王冠)タイプがある。

写真左がフラット、右がクラウン

カップに清掃溶剤を入れておき、フラットタイプは、先端を指で押さえながら吹くとうがい状態になる。クラウンタイプは、ノズルキャップのネジを緩めて吹くとうがいになる。フラットのように先端を指で押さえる必要はない。

写真左がフラットタイプの場合のうがい、右がクラウンタイプの場合のうがい。クラウンタイプのどこのネジを緩めるかは下の写真参照。

このとき、上から溶剤が飛び散るようであれば、キャップをつけて行う。

筆との併用 ←効果が高い

カップの底やハンドピース先端に付着した塗料が取れにくいことがあるため、筆も併用すると効果が高い。

清掃用筆は、 HIQPARTS 熊野筆 KMブラシ洗浄用、がおすすめ。

清掃用として作られており、毛足が長めで太さもあるのでカップの奥まで届く。ツールクリーナーなどの強力な溶剤につけても毛が傷みにくい。

通常は4回位うがいするとよい

ハンドピースの清掃は、うがいを数回繰り返し、溶剤に塗料の色が付かなくなるまで行う。その時の条件で異なるが、ざっと言うと通常の塗料だと大体4回くらいうがいを繰り返し行うと良い。

ちなみにシルバーなどのメタリック塗料の場合、4回くらいうがいしても金属粒子が残留する。実際に見ればわかるが、何度うがいしても多少の金属粒子(キラキラしたもの)が浮いてくる。一度、サーフェイサーなどの重い塗料を吹くと金属粒子も出て行きやすいと聞いているがあまり効果を感じたことはない。何度うがいしても切りがない。10回くらいやればきれいになるのだろうが、毎回そんなにやっては溶剤がもったいないので、ウォルは通常用とメタリック用の2本に分けている。

ハンドピースの標準は0.3mm口径だが、粒子が大きい、ノズルが詰まりやすいと思われる塗料は、0.4mm口径で吹いている。ノズルが詰まりやすいと思われる塗料は、サーフェイサー、アクリジョン(クレオスの水性塗料)、隠蔽力を高めた塗料(アルティメットホワイトなど)、メタリックなどだ。

清掃溶剤について

塗料を薄める「うすめ液」と清掃用の「クリーナー」が販売されているので基本的にはそれを使う。
塗料が固まっていない場合はうすめ液で塗料が落ちるが、塗料が固着してうすめ液で取れない場合は、「クリーナー」を使う。
水性塗料の場合、うすめ液として水が使え、水性塗料専用のクリーナーも販売されているものもあるが、ラッカー系のクリーナーでラッカー系もエナメル系も水性系も全て落ちるので、ラッカー系のクリーナーが1本あった方が良い。

※プラモデル用塗料で言われるラッカー系は溶剤系(油性)アクリル樹脂 で、本来のラッカーの定義とは少しずれていて、業務用で言われるラッカー系塗料と成分も違うようである。

以下、ラッカー系のうすめ液とクリーナーを紹介する。

クレオスのうすめ液(左)とツールクリーナー(右)

※クレオスのツールクリーナ改、以前持っていたが使い切ったので写真はない。すまぬ。

ガイアノーツの薄め液(左)とツールウォッシュ(右)
クアトロポルテのTipoマルチシンナー(左)とTipoウォッシュシンナー(右)

※最近タミヤもラッカー系塗料を発売しているが、使ったことないのでわからぬ。フィニッシャーズも使ったことない。

各メーカとも容量の設定が幾つかあるが、容量が大きい方が割安。各メーカの最大サイズを購入するなら、ガイアノーツが最も割安で、クレオスはそれよりちょっと高く、クアトロポルテが最も割高(他の1.5~2倍位の値段、入手性も悪い)。
臭いはクアトロポルテが比較的少なく、クレオスとガイアノーツのクリーナー系は我慢ならないほど強烈。強烈と言っても臭の質が違うので、小さいサイズを2種類買ってみて少しはマシだと思う方(笑)を使い続けると良い。
洗浄力は、Mr.ツールクリーナ改とツールウォッシュは同じくらい、ウォッシュシンナーはそれより高性能な感じ。
※ Mr.ツールクリーナ改とツールウォッシュ で、ツールウォッシュの方が良く落ちると言う噂も聞いたが、ウォルには同じくらいな感じがした。

1本だけ所有しておくなら、(臭いがなんとか我慢できるなら)ガイアノーツのツールウォッシュがおすすめかな。安いし洗浄力も全く不満はない。ブルジョワな人はクアトロポルテのウォッシュシンナーを使おう。ウォルは普段はガイアノーツで、ここぞというときのみクアトロポルテだ。

実際のうがいのやり方の例(ウォルの場合)

ウォルはうがい清掃は基本的には次のように行っている。しかし、場合によってはやり方を多少変えることもある。

1回目

うすめ液をカップ1/3位入れてうがいを行う。溶剤はカップから捨てる。

カップから直接外に捨てているが、2,3回目のように吹いて捨てても良い。1回目の塗料は濃いし、吹いて捨てるのが面倒だからである。

2、3回目

うすめ液をカップに1/4位入れ、再びうがいを行う。このとき筆も併用しカップの中や先端も清掃する。溶剤はエアブラシ先端から吹いて捨てる。

1回目で濃い塗料は捨てたが、まだ奥に塗料が残っているので筆も使う。吹き出し口にも塗料が残っているので、吹いて捨てる。

4回目

ツールクリーナーをカップに1/5位入れ、再びうがいを行い、筆でカップの中や先端も清掃する。溶剤はエアブラシ先端から吹いて捨てる。

かなりきれいになっているが、念入りにツールクリーナーで仕上げとする。

ツールクリーナーは最初から使わず、最初はうすめ液で洗浄し、最後に仕上げとしてツールクリーナーを使っている。ツールクリーナーは強力だが健康に悪そうな臭いがするので、ツールクリーナーの使用は控えめにしている。

このやり方はウォルの基本的なパターンだが、うがいを2~3回位でやめてしまうことあるし、最初からツールクリーナーを使うこともある。その時の判断や感覚でやり方を変える必要はある。

例えば、塗料を少量しか使用しなかった場合やすぐ後にほぼ同じ色の塗料を再び吹く場合は、うがい2,3回ですませることもあるし、サーフェーサーや隠蔽力を高めた重い塗料を吹いた後や、塗料を入れてから時間が経っている場合は、最初からツールクリーナーを使うこともある。

他の部分の清掃

カップや、フタ、ボディなどを清掃溶剤をつけて拭く。

特にカップ内は、ティッシュペーパーではなく、キムワイプとかキッチンペーパーのような毛羽立たないものがいい。ティッシュペーパーだと紙粉がカップに残り、次に吹くとき、それが埃のようにプラモデルに付着する可能性がある。

キムワイプは、ヨドバシカメラのプラモデルコーナーに行けば、150円くらいで売っている。

分解清掃

内部に汚れがたまっていると思われる場合、分解清掃する。

ハンドピースの分解

分解するとこんな感じである。

<注意>

・塗料が入った状態で、ニードルを抜かないこと。
・細かい部品の紛失の注意。ノズルやバネなど無くしやすい。
・ニードルを曲げないように注意。
・ニードルなどで怪我をしないよう注意。
・組み立て方法がわからなくならないよう注意。解する前に、部品の取り付ける順番、向きなどをあらかじめよく確認してから外すこと。

ノズル部、ニードルの清掃

ノズル先端は洗浄溶剤にしばらくドブ漬けしておき(ウォルはフタをして瓶を振ったりもする)、ニードルは洗浄溶剤をつけてティッシュペーパーなどで拭く。

ノズル先端の穴は、清掃溶剤をつけて、歯間ブラシのようなものを入れて、清掃する。この歯間ブラシのような清掃道具は、タミヤなどから販売されている。

光にかざしてみて、ニードルが通る穴が通って見えれば清掃OKである。穴が見えなければ、まだ詰まっている。穴が見えるまで清掃を行う。

ハンドピースの組み立て

清掃できたら、再びハンドピースを組み立てる。

ピストンの前後の取り付け向きに注意。

印のある方が後ろである。写真では欠けがあるが、点のような窪みがあるものもある。

ニードルチャックはつばが出ている方を上にして、入れる。

グリスの塗布

必要に応じてネジ部にグリスを塗布する。

プラモデル関連メーカーの日本製のハンドピースであれば、ネジの精度が高いので、塗布しなくてもほぼ問題は発生しないと思う。日本製でも塗布しておけば安心できるだろう。

ノズルシール(赤)は先端に空気が漏れないように、それ以外の箇所はグリス(白)を塗布する。

エアバルブの清掃

ピストンの動きが悪く、エアバルブを清掃したい場合もある。

あらかじめニードルを外しておく。

下から覗くと、穴が2つ開いているので、ピンセットを突っ込んで、ぐるぐる回すと、中のネジが外れてくる。

こうなる。

清掃する。清掃してもピストンの動きが悪いこともあるので、そのときはグリスを塗布する。

紹介したもの

↓分解メンテに、ほぼ必須

タミヤ エアーブラシシステム No.48 スプレーワーク エアーブラシ用クリーニングセット 74548

↓洗浄専用筆

ハイキューパーツ 熊野筆 KMブラシ 洗浄用 1本入 プラモデル用工具 KM-WS

一度は使ってみたい、クワトロポルテ

Tipo マルチシンナー1000

Tipo ウォッシュシンナー1000

キムワイプ

キムワイプ 12×21.5cm /1箱(200枚入) S-200

※上記はamazonリンクだが、消耗品関係は、ヨドバシカメラで買った方が安い場合がある。

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